皆さん、良い投資ライフを送ってますか?
こんにちは、黒野ジミーです。
「BPSって何? PER や PBR とどう違うの?」
そんな疑問を持つ人向けに、この記事では BPS の意味・見方・投資での活用法までまとめて解説します。
5分読めば、今日から BPS を使いこなせるようになります。
早速、始めていきましょう!
BPSとは何か?
BPSとは「Book Value Per Share」の英語の略で、日本語では「一株純資産」と表されます。
計算式は下記の通りです。

純資産とは、企業の総資産から負債を差し引いた残りの金額のことで最終的に自由に使える資産です。各企業の貸借対照表(バランスシート)の純資産の部で確認できます。
BPSの計算式は純資産を発行済株式総数で割っていますので、一株あたりに“会社の純資産”がどれだけあるかを示し、企業の財務の安定性や株価の割安・割高を判断する基礎になる重要な数値です。
仮に企業が解散・清算した場合に、株主1人あたりに戻る資産の額も示しています。
BPSに目安はある?
BPSには他の指標にあるような絶対的な目安の数値はありません。なのでBPSで割高・割安のような判断を行うことはありません。
しかしながら、BPSが高いほど企業の財務が健全で安定性が高いと評価されます。つまり倒産しにくいと判断されるのです。
また業界によってもBPSの高さが異なります。
資金が大量に必要な業界は純資産が大きくなるため、BPSも高くなる傾向があります。
製造業、鉄鋼・科学、不動産、銀行・保険、電力・ガスなどが資金が大きくなる業界の例です。
反対にIT企業、コンサル企業、広告代理店、デザイン・制作・アプリ企業、人材サービスなどは資産をあまり持たない業界として純資産が小さくなり、BPSが低くても普通と認識されています。
なのでBPSは同業種・同業界・同じビジネスモデルの企業同士で比較するのが鉄則です。
BPSをチェックする時のポイントや注意点は?
1.毎年BPSが増えているか?
BPSが増えていると言うことは、利益が出ている、純資産が積み上がっている、財務が強化されているなどBPSの計算式の分子である純資産が大きくなったと見ることができます。
BPSは単年度でチェックしてもほとんど意味がありません。
前年と比べて増減しているか、増減の理由は何かを確認することが重要となります。
2.自社株買いの影響を理解する
自社株買いとは、企業が市場に出ている自社の株式を自分で買い戻すことです。
自社株買いが行われるとBPSの計算式の分母である発行済株式総数が小さくなるため、純資産に変動がなくてもBPSが高くなります。
この視点からBPSを確認すると、BPSが上がった=会社が成長した(純資産が増えた)とは限らない点に注意が必要です。
3.PBRとセットで覚えよう
BPSとPBRを合わせてみることで、投資判断をより確かなものに出来ます。
PBRについては下記の記事を参照ください。
BPSとPBRの関係性は、BPSは土台、PBRはその土台がどれだけ評価されているかを表す倍率とイメージすると分かりやすいかもしれません。
PBR = 株価 ÷ BPS で計算され、BPSという“土台の価値”を、投資家が「何倍で買っているか」を示していると言えます。言い換えると、企業の純資産に対する“市場からの評価倍率”です。
例:BPS1,000円の企業が株価2,000円で取引されていたら?
PBR=2,000 ÷ 1,000 = 2倍
- 純資産の2倍の値段で買われている。
- 市場から「資産以上に価値がある」と評価されている。
逆にPBR=0.8倍なら、
- 純資産より安く市場で買える。
- 「割安では?」と判断されることが多い。
まとめ
BPSは難しそうに見えて、見るべきポイントはとてもシンプルです。
- 一株あたりの純資産を表す指標。
- 財務の安定性や倒産リスクをチェックできる。
- PBRと組み合わせて割安・割高を判断できる。
BPSを理解すれば、企業の「土台の強さ」が見えるようになります。
今日からぜひ、気になる企業のBPSをチェックしてみてください。
