FP資格は投資の役に立つ?すでに投資していた自分が感じたこと

株式投資に興味があるのだけれど、FPの知識は役立つ?
そんな疑問にお答えします。
私は、FPの勉強を始める前から株式投資に興味を持ち、売買を行っていました。
FPは6分野をカバーしていて、「金融資産運用」はその1つ。
この記事を読むと、FPの知識が投資のどの場面で役立ち、逆にどこは資格の範囲外なのかが具体的に分かります。
結論からいうと、FPの知識だけで株式投資を始めるには少し物足りなさが残ります。
ただ、税率の仕組みや経済指標の見方など、投資を続けている人でも整理し直せる部分は確かにありました。
投資歴10年の自分が実際に感じた「役立った部分」と「足りなかった部分」を、率直にお話ししていきます。
それでは、さっそくいきましょう。
結論:FPは投資を「始める」ためというより「整理する」ための資格だった

FPと投資の関係について、まず結論からお伝えします。
投資歴だけで言うと10年ほどになりますが、正直なところ、ずっと本腰を入れて続けていたわけではありません。
投資信託やインデックス投資だけの時期もあれば、個別株に手を出して思うように結果が出なかった時期もありました。
歴は長くても、知識や経験が伴っていたかというと、そこまで自信はありません。

興味を持ってはじめてみたり、やめたりを繰り返していました。
それでも長く関わってきた分、FPで学ぶ「金融資産運用」の分野は、聞いたことがある用語や、なんとなく知っている内容が多かったのは事実です。
ただし、聞いたことはあっても深く理解していなかった部分や、あまり気にしてこなかった内容も少なくありませんでした。
こうした背景から、私にとってFPの勉強は、投資を新しく始めるきっかけというより、これまで断片的に持っていた知識を整理し直す機会に近い感覚でした。
一方で、投資がまったく未経験の人にとっては話が変わります。
FPで扱う範囲は決して深くはありませんが、用語や仕組みを一通り把握できる量としてはちょうどよく、投資を始める最初の一歩としてはハードルが低いはずです。
FPの範囲だけで完結するわけではなくても、その先に進むための足がかりとしては十分に機能すると感じます。

資格の勉強って、意外と「知ってるつもり」だったことに気づかされますよね。
FPを勉強して初めて理解できたこと

ここでは、FPの勉強を通して「今までなんとなく分かったつもりでいた部分が、実はきちんと理解できていなかった」と感じた2つの内容を紹介します。
経済・景気指標(先行・一致・遅行)がニュースと繋がった
FPを勉強する前は、ニュースで「日銀短観が悪化しました」「有効求人倍率が改善しました」と聞いても、良くなった・悪くなったという結果だけを受け取っている状態でした。
そもそも日銀短観が何を示す指標なのか、有効求人倍率が具体的に何を表しているのか、中身を理解できていなかったのです。
FPで景気動向指数や日銀短観、消費者物価指数といった指標をひとつずつ勉強したことで、それぞれが何を指しているのか、景気に対して先行して動く指標なのか、遅れて動く指標なのかが分かるようになりました。
おかげで、ニュースの内容そのものを理解できるようになったのは、勉強してよかったと感じる部分です。

「日銀短観」って言葉、恥ずかしながらそれまでは聞き流していました。
配当金・売却益にかかる税率の内訳が整理できた
投資の判断に直接関わるわけではありませんが、税金の仕組みを知ること自体が、個人的には楽しいと感じられる部分でした。
配当金や株式の売却益には、合計20.315%の税金がかかります。
この内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。
「約20%引かれる」という認識はあっても、その中身を分解して説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
この税率の考え方は、後述するタックスプランニングの分野にもつながる内容です。

知識と知識がつながった時に勉強の面白さを実感できました。
FPだけでは足りなかったこと

一方で、FPの勉強だけではカバーしきれない部分もありました。
ここでは、私が感じた2つの限界を紹介します。
デリバティブ・先物取引はテキストだけでは理解しきれなかった
FPの試験範囲には、先物取引やオプション取引といったデリバティブ取引も含まれています。
ただ、正直に言うとこの分野はテキストを読んだだけではしっくりきませんでした。
例えばオプション取引は「将来の一定時点に、一定の価格で特定の商品を売買する権利を売買する取引」と説明されますが、「売買する権利を売買する」という言葉自体がすでにややこしく感じてしまいます。
先物取引についても、自分で取引をしたことがないこともあり、具体的なイメージやメリットがいまいち掴めませんでした。
用語や仕組みの説明はテキストで一通り学べますが、自分ごととしてイメージできるかどうかは別問題だと感じた部分です。
興味があれば、ここから先は自分で調べたり、直接経験する必要がありそうです。

何ごとにも興味を持ち、挑戦してみると、テキストだけでは得られない情報に出会えます。
口座開設や実際の取引方法はFPの範囲外
FPでは、株式や投資信託、NISAといった制度や商品の特徴は学べますが、証券口座を開設する手順や、注文方法(成行・指値など)の具体的な操作については触れられません。
つまり、FPの知識は投資の「地図」を手に入れるようなもので、「歩く」部分、つまり口座を開いて取引してみるという行動は、資格の範囲の外にあります。
ここは知識と切り離して、自分で一歩踏み出す必要がある部分だと感じました。
投資の基礎知識が目的なら、FP3級だけで十分

ここまでの内容を踏まえると、投資の基礎知識を得ることが目的であれば、FP3級で十分だと感じています。
2級も、大まかな内容や流れは3級と大きく変わりません。
扱う用語が増えたり、内容が少し深くなったりする程度の違いです。
そのため、3級だけでは知識が浅いと感じた場合や、もう少し深く学びたいと思った場合に、2級へ進むという選び方でよいと思います。
ただし、3級であっても2級であっても、そこから先は実践しながら身につけていく部分が大半になります。
ニュースで見聞きする内容や用語、口座開設の手順、株の売買といったことは、テキストで学ぶだけでは分からず、自分でやってみて初めて理解できることがほとんどです。
FPで学べるのはあくまで知識の範囲までで、そこから先は手を動かしながら理解を深めていく必要がある、というのが今の実感です。

証券口座開設などの実務は、テキストからは得られません。
自分自身で行動を起こすことが必須になります。
投資を学びたい人にFPをすすめるとしたら

最後に、これから投資を学びたいと考えている方に向けて、FPをどう位置づければよいかをお伝えします。
もし投資の経験がまったくない方であれば、FPの勉強は投資の世界に足を踏み入れる入り口になると思います。
株式や投資信託、NISAといった基本的な仕組みや用語を一通り整理できるので、右も左も分からない状態から抜け出す最初の一歩として、ちょうどよいボリュームです。
一方で、私のようにすでに投資をしている方にとっては、新しく何かを始めるというより、あちこちに散らばっていた知識がひとつにまとまっていく感覚に近いかもしれません。
分かっているつもりだった部分が、実は曖昧だったと気づけるはずです。
いずれにしても、FPだけで投資のすべてが分かるようになるわけではありません。
学んだ知識を口座開設や取引に結びつけていくのは、資格の外にある自分自身の行動次第です。
投資に興味がある方は、まずはFPの勉強から知識を整理してみて、その後は実際に行動に移してみることをおすすめします。

