FPと簿記どっちを先に取る?両方取った経験から目的別に解説

FPと簿記、どっちを勉強しようか迷っている。
どちらもお金に関わる人気資格なので、同時期に気になる方は多いと思います。
でも、いざ調べてみると「FPがおすすめ」「いや簿記の方が就職に強い」など、情報がバラバラで余計に迷ってしまうことも。
結論からお伝えすると、FPと簿記はどちらを先に取るべきかは、あなたの目的によって変わります。
FP2級・簿記2級を両方取得した筆者が下記について解説します。
- FPと簿記の違いについて
- 目的別による取得の順番
- 難易度・勉強時間の比較
この記事を読み終わったときには、自分に合った選び方のヒントが見つかるはずです。
それでは、さっそく見ていきましょう。
FPと簿記の違いをざっくり理解しよう

本題に入る前に、FPと簿記それぞれがどんな資格なのかを簡単に整理しておきます。
FPは「個人のお金」を学ぶ資格
FP(ファイナンシャルプランナー)は、個人のお金に関する幅広い知識を学ぶ資格です。
試験範囲は以下の6分野に分かれています。
- ライフプランニングと資金計画
- リスクマネジメント(保険)
- 金融資産運用
- タックスプランニング(税金)
- 不動産
- 相続・事業承継
保険・税金・年金・投資など、日常生活に直結するお金の知識が幅広く身につくのが特徴です。
「生活に役立つお金の教養」として取得する方も多い資格です。
簿記は「会社のお金」を学ぶ資格
簿記は、会社の取引を記録・管理する会計の知識を学ぶ資格です。
経理職や会計業務に直結しており、会社員として経理に携わっている方や、個人事業主として確定申告をしている方にはなじみが深い分野です。
3級では日常的な商業簿記を、2級では商業簿記に加えて工業簿記や連結会計まで範囲が広がります。

FPは幅広い知識を広く浅くといった感じで、簿記は会計に特化しているので狭く深く学べます。
2つの資格は少しだけ重なる部分がある
FPと簿記は学ぶ対象が「個人」と「会社」で異なりますが、一部重なる内容もあります。
たとえばFP2級の保険分野では、法人契約の保険料をどう経理処理するかといった簿記的な考え方が必要な問題が登場します。
また損益計算書や株式に関する知識も、両方の試験で触れる内容です。
ただし学び方の方向性は異なります。
FPは制度や言葉の理解が中心であるのに対し、簿記は計算や仕訳の処理が中心です。
「似ているようで、実はかなり違う資格」というのが正直なところです。

FPは用語を覚えることが多め、簿記は計算が多めです。
FPと簿記どっちを先に取るべき?目的別に答えます

「結局どっちを先に取ればいいの?」という疑問に、目的別にお答えします。
転職・就職に活かしたい人はどっちを先に取る?
目指す職種によって変わりますが、大まかな目安はこのとおりです。
業種が決まっていない場合は、興味のある方から始めれば問題ありません。
お金の知識を日常生活に活かしたい人はどっちを先に取る?
特定の職種への転職が目的でなく、「日常生活でお金の知識を身につけたい」という方には、FPがおすすめです。
保険・年金・税金・投資・不動産・相続と、生活に直結する6分野を幅広く学べるので、学んだ知識をすぐに日常で活かせます。
特に保険の見直しや投資に興味がある方には、取得後の実感が得やすい資格です。
ただし、個人事業主として確定申告をしている方や、自分で帳簿をつけている方にとっては簿記も実用性が高いです。
「日常使いならFP、事業のお金を管理したいなら簿記」と考えると整理しやすいでしょう。
迷ったら「興味のある方」から、強いて言えば簿記からがおすすめ
どちらにするか迷っている場合は、まず興味のある方から始めるのが一番です。
興味がある方が継続しやすく、結果的に合格までの道のりも短くなります。
強いて順番を挙げるなら、簿記を先に取るのも一つの選択肢です。
簿記を先に学ぶことで、数字や計算問題への苦手意識が薄れ、その後FPの勉強に取り組んだときに計算問題をスムーズに進めやすくなります。
実際に筆者自身、簿記を先に取得していたおかげで、FPの試験勉強では数字への苦手意識がほとんどありませんでした。
むしろ計算が絡む問題は得意分野として取り組めたほどです。
ただしこれはあくまで「強いて言えば」の話です。
FPを先に取ったからといって不利になるわけではありません。
どちらを先にするかより、まず一歩踏み出すことの方がずっと大切です。

「FPと簿記どっちの資格に最初に興味を持った?」を思い出して、最初に興味を持った方から始めればいいと思います!
FPと簿記の難易度・勉強時間を比較

「どちらが難しいの?」「どのくらい勉強すれば取れるの?」という疑問もよく聞かれます。
ここでは筆者の実体験をもとに、FPと簿記それぞれの難易度と勉強時間を比較してみます。
FP3級・2級の難易度と勉強時間
FPの合格率は試験機関によって異なりますが、日本FP協会のFP3級の合格率は学科・実技ともに85%前後と高水準で推移しています。
FP2級は学科が25〜55%程度、実技が35〜60%程度で、3級と比べると難易度は上がりますが、国家資格の中では取り組みやすい部類です。(出典:日本FP協会「試験結果データ」)
勉強時間の目安としては、FP3級は2〜3ヶ月、FP2級は筆者の場合約170時間・6ヶ月で合格しています。
難易度の特徴として、FP3級は学科が二択・三択、実技も三択が中心のため、ある程度知識が定着していれば選択肢から絞り込みやすいです。
FP2級になると問題の難易度は上がり、実技では記述式の問題も加わりますが、学科は引き続き択一式です。

簿記3級・2級の難易度と勉強時間
簿記の合格率はFPと比べて低めで推移しています。
簿記2級の統一試験(全国一斉の紙の試験)では、直近の合格率が15〜29%程度と回によってばらつきがあります。
ネット試験では32〜37%程度とやや高めですが、それでもFP2級と比較すると難易度の高さが数字に表れています。(出典:商工会議所の検定試験「受験者データ」)
勉強時間については、筆者の場合、簿記3級は独学で数ヶ月、簿記2級はスクールを利用しながら1年3ヶ月ほどかかりました。
途中で中だるみした時期もありましたが、それを含めてこのくらいの期間を見ておくのが現実的だと思います。
簿記2級はFP2級より段違いに難しくなる
FP3級→2級の難易度の上がり方と、簿記3級→2級の難易度の上がり方は、まったく別物です。
FP2級はFP3級の延長線上にある内容が多く、知識を積み重ねていけば対応できます。
一方、簿記2級は3級で学んだ商業簿記に加えて工業簿記・連結会計が加わり、範囲が一気に広がります。
特に難しいのが、決算書や財務諸表・本支店会計などの表を作成する問題です。
単純に知識を覚えているだけでは対応できず、テキストで学んだ内容を総動員して手を動かさないといけない問題が多く、解答にかかる時間も長くなります。
個人的には、FP2級より簿記2級の方が圧倒的に難しいと感じました。

FPの試験は1問1問が独立しているため、ある問題を間違えても他の問題に影響しません。
一方、簿記の表作成問題は1つの表の中で複数の解答を行うため、途中で1つ間違えるとそれ以降の解答も連鎖して間違ってしまうことがあります。
これも簿記を難しいと感じた理由の一つです。
簿記2級はスクール利用も選択肢に入れよう

簿記3級までは独学で十分対応できます。
しかし2級になると、前の章でお伝えしたように難易度が大きく上がります。
筆者自身、3級は独学で合格したものの、勉強を進める中で「自分の理解や解き方はこれで合っているのだろうか」という不安を感じるようになりました。
テキストだけで勉強していると、知識は身についても自己流の理解になっているリスクがあります。
仕訳の方法や会計用語の意味など、なんとなく分かった気になっていても、実は微妙にズレていることも少なくありません。
スクールで授業を受けたことで、そういった自己流の理解を正しく学び直すことができました。
正確な知識のもとで勉強できると、理解の定着も早く、試験だけでなく実務でも使える知識になると実感しています。
特に簿記1級を目指している方や、経理の実務で活かしたい方には、一度きちんと習うことをおすすめします。
筆者がスクールとして選んだのはクレアールです。
リベラルアーツ大学の両学長がおすすめしていたことがきっかけで受講を決めました。
まずは資料請求から始めてみるのも一つの手です。
まとめ:目的に合った方から始めよう

「FPと簿記、どっちを先に取ればいいんだろう」と迷っていた方も、ここまで読んでいただければ少し方向性が見えてきたのではないでしょうか。
あらためてポイントを整理します。
- 経理・会計職を目指すなら → 簿記を先に
- 金融・保険・不動産業界を目指すなら → FPを先に
- 日常生活のお金の知識を身につけたいなら → FPを先に
- 個人事業主で確定申告をしているなら → 簿記を先に
- どちらか迷ったら → 興味のある方から、強いて言えば簿記から
どちらを先に取っても、もう一方の勉強に活きる部分は必ずあります。
「完璧な準備が整ってから」と考えていると、なかなか動き出せないものです。
まずは自分の目的に合った1つを選んで、できるところから始めてみてください。
きっと学んだ知識が、日々の生活や仕事のどこかで役立つ瞬間がやってきます。


